ここでいうセックスレスとは、互いに性交渉を出来ない特別な事情がないにも関わらず、どちらか一方が一定の期間性交渉を拒否してできない状態をいいます。病気がある、妊娠中である、仕事で疲れていて少しの間出来なかったなどの場合は、ここでいうセックスレスに含みません。
そして、セックスレスが裁判における離婚の理由となるかというと、「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」にあたれば、裁判における離婚の理由となります。しかし、セックスレスのみによって、その他婚姻を継続しがたい重大な事由にあたることは稀であると考えます。もっとも、長期間においてセックスレスの状況である場合、つまり、一方が性交渉を長期間断り続けている状況になります。そして、一般的に、このような夫婦は、愛情の減退、夫婦間のコミュニケーションの欠如など様々な問題を別に抱えていると考えられます。つまり、セックスレス以外にも様々な事実があって、結果として、婚姻を継続しがたい重大な事由にあたることは十分にありうると思います。

セックスレスは不法行為を構成し、セックスレスを理由として慰謝料を認めている裁判例は存在します。一方が求めたにもかかわらず、特段の事情がなく拒否し続けたことは、不法行為に該当するということです。性生活は、婚姻の基本となる重要な事項であると判例でも認定されています。

まだ愛情が残っているなと思えれば、セックスレスを解消し円満な夫婦生活を取り戻すことができるかもしれません。相手の愛情が残っているうちに、なんで私からこんなことを言わないといけないんだと思わずに、夫婦で話し合ってみてはどうでしょうか。
また、夫婦で夫婦カウンセリングにいってみる、マンネリ化してしまった日常から離れ、いつもより時間とお金を掛けてでも非日常の体験を二人でしてみる等も効果があるのではないでしょうか。いずれにしても、夫婦の問題は温度差は一定あるとしても、互いに問題があると思って取り組まないと改善は難しいと思います。夫婦で素直になって、真摯に話し合ってみてはいかがでしょうか。

関係性が改善できないとなると離婚も検討してください。関係性を改善しようとしたが相手が受け入れなかったことは、総合して婚姻関係を継続しがたい重大な事由と認定される場合における一つの事実となりますので、具体的にどのような事実があったのかを記録して頂きたいです。といっても、裁判離婚は、そう多くないことですし費用も時間もかかるため、まずは、協議離婚を目指すことになります。、相手が頑として離婚を拒否する、のめない条件をのまないと離婚しないと折れないなど、協議離婚が暗礁に乗り上げることが稀にあります。そうなってしまうと、弁護士への依頼、裁判離婚を視野に入れていきましょう。
セックスレスを中心とした様々な夫婦の関係から、婚姻を継続しがたい重大な事由があるとして、裁判でも離婚が認められる可能性がありますからしっかりその準備をしましょう。

セックスレスになった事情により対応は変わって来るとは思います。しかし、セックスレスは、一般的に、離婚への第一歩ともいえる問題です。セックスレスそのものの悩みはカウンセラー等に依頼すべきですが、離婚に向けて進みだそうという場合には、離婚問題に強い当事務所の弁護士にご相談ください。

今、弁護士に相談すべきかと思われるかもしれませんが、少なくとも離婚する決意をしたら、弁護士に相談するタイミングです。離婚に強く、離婚の専門性を磨いている弁護士法人キャストグローバルに安心してご相談ください。